止まらぬ原油高騰 家計のやりくり、物価高で厳しさ増す
原油価格の上昇が止まらない。週明け14日のニューヨーク・マーカンタイル取引所の原油先物相場が通常取引後の時間外取引で一時、1バレル=112.45ドルまで上昇して最高値を更新。15日も通常取引前の時間外取引で112ドル台をつけた。原油高騰は幅広い商品に影響を与え、物価を押し上げているが、原油価格がこのまま推移すれば、その勢いがさらに強まることは必至。家計のやりくりは厳しさが増す一方だ。
スパゲティ300グラム10.1%、カップめんは10.7%、みそは7.9%…。3月の店頭販売価格の上昇率は、1月と比べて大幅に上昇した。内閣府が約1600人の国民生活モニターに依頼して、25商品の生活関連物資の店頭価格を調査したところ、12商品で価格上昇が確認された。特に小麦や大豆関連製品の値上げが目立ち、わずか2カ月の間に1割以上アップした商品も少なくなかった。内閣府は「モニターの42%が『かなり影響を受けている』と回答した。物価上昇が家計に重くのしかかっている」と指摘、消費への影響に懸念を示す。原油の高騰は製造コストや輸送コストを押し上げ、幅広い商品に影響が及ぶ。原油価格が現状のまま推移すれば、さらに家計を圧迫することは必至だ。
原油価格の上昇に歯止めが掛からないのは、株式市場の先行きに自信が持てない投資家が原油に資金を振り向けていることが背景にある。産油国ナイジェリアの政情不安や米国内のパイプラインの障害など原油供給に影響を与えかねない材料はあるものの、受給バランスに見合った価格とはかけ離れた価格上昇を招いているのはこのためだ。11日の先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)でドル安に歯止めをかけられなかった失望感も商品相場への資金流入を後押しした。「米経済の先行きが不透明で、どこまで高くなるのか先が見えない」とみるエコノミストは多い。
消費者にとっては朗報だったガソリン価格の下落も一時的だ。与党が衆院で道路特定財源関連法案を再議決すれば、あっという間に逆戻りだ。「自動車の利用を極力控えている」「特売日を狙って買い物をしている」など物価上昇に対する消費者の防衛意識は強まるばかりだ。暫定税率の復活は消費者心理を一気に冷やす可能性もあり、踊り場入りした景気はさらに厳しい局面に追い込まれる懸念が強まっている。
福田首相また他人事発言…物価上昇「しようがない」
福田康夫首相が最近の物価上昇について、「しようがない」と語ったことが批判を集めている。物価や市場の安定を図ることは政治の重要な役割だけに、「責任放棄の他人事発言」「即刻辞職すべきだ」といった声が噴出しているのだ。サミットの事前視察で1泊130万円以上の最高級スイートに泊まる御仁には、庶民の厳しい生活など理解できないのか。
問題発言が飛び出したのは12日午前、東京・新宿御苑で開かれた「桜を見る会」。満開の八重桜に浮かれたのか福田首相は「きょうはヤボなこと申しません。政治のことを申し上げるとね、心配されるといかんから」と軽口をたたきながら、こう語ったのだ。
「物価が上がるとかいろいろなことはありますけど、しようがないことはしようがない。これに耐えて、工夫して切り抜けていく。それが大事」
この発言がニュースで報じられた同日午後から、インターネットの掲示板などに、「貧乏人らは文句言わずに耐えろ、と言うのか」「平安貴族のように花見をしながら庶民を見下している」「こんな首相、見たことがない」といった批判が殺到した。
同じ日、内閣府は「社会意識に関する世論調査」を発表した。これによると、現在の日本で「悪い方向に向かっている分野は何か」(複数回答)という質問に対し、「景気」を挙げた人が43.4%と昨年の前回調査(21.1%)から倍増して4年ぶりのトップに。以下、「物価」が42.3%(前回比27.7ポイント増)、「食糧」が40.9%(同27.9ポイント増)と続いた。
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