生保10社が減益、不払い問題が直撃…主要12社決算
生命保険主要12社の2008年3月期決算が30日、出そろった。保険事業のもうけを示す基礎利益は10社が減益となり、12社合計も前期比11%減の2兆4000億円と減益に転じた。
売上高に当たる保険料収入も同2・5%減の20兆9000億円と2年連続で減少した。保険金不払いの対応に追われて新規契約が大幅に落ち込み、再発防止に向けた関連費用が膨らんだ。経営を支えてきた高額の死亡保障保険の不振が続き、成長分野と期待した医療保険など第3分野商品も失速し、規模を競う経営は限界に近づきつつある。
12社決算が減収減益に落ち込んだ最大要因は不払い問題だ。各社とも不払い調査を優先した結果、積極的な営業体制を組めず、そこに生保不信を受けた契約者離れが加わった。
日本生命保険の筒井義信常務執行役員は30日の記者会見で「営業を止めるほどの体制で不払い対応に臨んだため新規顧客開拓が十分できなかった」と語った。
保険料収入は6社が減収。新規に獲得した契約の保険料を1年分に換算した「新契約年換算保険料」で見ると、アメリカンファミリー生命保険(アフラック)を除く11社が前年実績を下回った。
基礎利益は不払い問題の影響で、アリコジャパンと富国生命保険を除く10社が減益。本業以外では、サブプライムローン問題に端を発した市場の混乱で、証券化商品の損失額はアリコが256億円で、第一生命保険が245億円、三井生命保険が227億円、日本生命が117億円となった。三井生命は税引き後利益が96億円の赤字に陥った。
◆日生が3位転落◆
08年3月期の低迷を象徴するのが、新規契約の保険金総額(新契約高)の落ち込みだ。特に日本生命は前期比44%で、第一生命、住友生命に次ぐ3位に転落した。新契約高で日生が首位を明け渡すのは戦後初とみられる。
生保各社はこれまで営業職員を大量投入し、保障額が大きい死亡保障保険の販売を競ってきた。それを示す指標が新契約高だ。しかし、少子高齢化の影響で死亡時に多額の保険金を受け取れる死亡保障保険に対するニーズは年々低下し、08年3月期の大手4社の新契約高は10年前の3割程度まで落ち込んだ。
生保各社は新規開拓よりも、既存の契約者をつなぎとめる姿勢を強めている。保有全契約に対する解約・失効契約の割合を示す解約・失効率が08年3月期には6・50%と前期より0・46ポイント低下したことも、こうした方向性を示している。
新たな収益源と見込む第3分野商品も、新契約年換算保険料が前期比9・5%減と期待外れの結果だった。昨年12月に全面解禁した銀行窓販の販売額も同5・3%減と伸び悩んだ。
◆逆ざや解消◆
営業の不振が鮮明となった反面、企業業績の改善に伴い株式配当や利息収入が増え、生保経営の課題だった財務体質の改善はやや進んだ。日本生命と第一生命は、契約者に約束した利回りより実際の運用成績が下回る「逆ざや」を解消した。逆ざや解消は2001年3月期に情報開示して以来初めてだ。
生保各社は来店型店舗や代理店など販売チャネルの拡充、営業職員の教育制度充実などを通じ、生保離れを食い止めたい考えだ。「顧客ニーズに対応できれば、業績は好転してくる」(第一生命の渡辺光一郎専務執行役員)との予想もある。
損保5社 本業減収 3月期決算
損害保険大手6社が21日発表した2008年3月期連結決算は、損保本業の売上高にあたる正味収入保険料(単体ベース)が5社で減収となった。保険金不払い問題の再発防止策などで新規契約を獲得する営業活動が停滞したことや、主力の自動車保険の長期低迷などが響いた。
米低所得者向け住宅融資「サブプライムローン」関連損失が拡大し、税引き後利益では、あいおい損害保険が31億円の赤字と6期ぶりに赤字転落した。株式市況の悪化で保有株式などの評価損が膨らみ、日本興亜損害保険、三井住友海上グループホールディングス、損害保険ジャパンの3社が減益だった。
サブプライムローン関連損失は、あいおい損保の836億円、損保ジャパンの300億円など4社で約1100億円に上り、07年9月中間期の4倍となった。
本業の伸び悩みも目立った。自動車の販売不振の直撃を受け、国内の自動車保険は5社が減収だった。改正建築基準法の影響で住宅着工が激減したため、火災保険も全社が減収だった。
| 固定リンク
「ニュース」カテゴリの記事
- ETCでお金も時間もお得な生活(2008.12.26)
- 白磁蟠龍博山炉(2008.12.20)
- 喫煙者に借金1兆円押し付けの悪巧み(2008.12.16)
- ウォン安「韓国」に日本人観光客殺到(2008.12.14)
- 投げ売り激化で「0円携帯」復活も(2008.12.12)





コメント