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偽造カード手口巧妙化、相次ぐ被害

紀陽銀行の偽造キャッシュカードによるとみられる預金不正引き出し事件。口座番号などの情報が盗まれて偽造カードが作られた可能性が高いが、犯人の情報入手の経緯などは特定されていない。全国ではカードの磁気情報を読み取る「スキミング」などの被害も多発。不正の手口は巧妙化しており、生体認証ICカードの導入など偽造対策に苦慮する銀行業界は、推測されにくい暗証番号の登録など利用者側の基本的な対策も改めて呼びかけている。

紀陽銀によると、今回の被害者の多くは、いずれも暗証番号が生年月日や電話番号など推測されやすい番号が設定されていた。口座番号などの情報が何らかの方法で盗まれ、その情報に基づいて偽造カードが作成されている可能性が高いとみられる。

カード偽造の手口はさまざまだが、カードの情報を盗む手口として平成12年ごろから全国で被害が相次いでいるのが「スキミング」。スキマーと呼ばれる磁気情報の読み取り装置を使い、持ち主の知らない間にカードの中に入っている磁気情報を読み出す方法で、入手した磁気情報を元に偽造カードを作製し、不正に預金を引き出すという。

一方、17年には銀行のATMにカメラを仕掛けて暗証番号を盗撮し、カードを偽造する事件が発覚。昨年末の北洋銀行(札幌市)のキャッシュカード偽造事件では、犯行グループは特定の企業と取引のあった顧客の生年月日などを含む個人情報を何らかの方法で入手した上で、電話で残高照会ができるサービスを悪用。暗証番号を確認した上で預金を引き出すなど、その手口は多岐に渡る。

相次ぐ偽造キャッシュカード事件に、銀行業界は磁気情報の暗号をより複雑にしたり、指紋などによる生体認証機能の付いたICカードの導入を進めてきた。紀陽銀でも19年3月から導入し、順次切り替えを進めているが、数自体はまだそれほど多くないという。

紀陽銀の担当者は「何が原因かは調査中だが、不正なカードを作らせないためにできる限りの対策を講じたい」とし、顧客に対しては「個人情報から推測できる暗証番号は絶対にやめてほしい」と呼びかけている。

★スキミング

近年のカード犯罪で多く使われる手口の一つで、磁気カードに書き込まれている情報を抜き出し、まったく同じ情報を持つカードを複製する犯罪である。

この犯罪行為の手法としては、そのカードの磁気に記録されている各種データ(会員番号や口座番号など)を、カード情報を読み取る機能を持ったスキマー(スキミングマシンとも言う)という装置を組み合わせて盗み取る。通常の場合において、信販会社などのクレジットカードや、銀行などの金融機関で利用されるキャッシュカードを、正式な所有者が使用した際には、カードに組み込まれた磁気テープに記載された情報を、機械的に読み取って信販会社や金融機関のコンピュータに通信して照会、その結果として所有者は、求める商品やサービスを購入したり、現金を引き出したりできる。

実際のスキミングにおいては、商店・ホテル・レストラン等のサービス業店頭に設置された読み取り装置内に、読み取られたカードの情報を記録、または送信・中継する部品が不正に組み込まれていたり、若しくはカードを一時的に盗んで、スキマーを利用して情報を読み取るといった手口が知られている。また中には、警官や信販会社のサービスマンになりすまして、カードをチェックするふりをして、正当な所有者の目前でスキミングマシンに堂々と通して情報を盗むという事例も報告されている。

こうして読み取られた情報は、別の磁気カードに書き込まれる訳だが、中にはカードの表面やホログラムまでも忠実に印刷した精巧に偽造したクレジットまたはキャッシュカードを作成・利用する事例も見られる。これらは犯人グループによって、金融機関のキャッシュディスペンサーや現金預け払い機から現金を引き出すのに用いられたり、あるいはクレジットカードの場合はそれで物品などを購入する事に使用され、商品を騙し取るために利用される。スキミングによる詐欺は、カードが手元に残るため、カード盗難のようにすぐ所有者が一刻を争ってカード停止する事が無いため、月末などに使用明細が届くまで気付かれ難い等の問題点がある。

特に、ここ数年はデビットカードというキャッシュカードを使った支払いができる店舗が増加し、またコンビニエンスストアなどでもATM(コンビニATM)などが次々と開設され、これら店舗にて設置・管理されているカード読み取り端末に、スキマーが仕掛けやすいことなどから、キャッシュカードが狙われる事例が多くなっている。また、近年ではSuicaなどRFIDの普及が進み、個人に近づいてRFIDを所有している人物に近づいてスキミングし個人情報を入手するといったスキミング行為も多くなっており、スキミング防止器具の商品が多く普及するに至っている。

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